課題演習DA(地震):(2) 日本の地震観測網

1.日本の基盤的地震観測網

地震の観測をするために、現在、日本には、何千台もの地震計が設置されています。 その多くのデータはネットワークを通じて、誰でも使用することができます。 今回の演習では、このデータを利用します。

この日本の基盤的地震観測網の設置・データ収集をしている機関が、 つくばにある国立研究開発法人・防災科学技術研究所です。 そこのホームページにいってみましょう。
http://www.bosai.go.jp

下の方にある「防災地震Web」をクリックします。 最近発生した地震の位置や規模、現在の地面の揺れのようすなどが 画面にでてきます。最新の地震のメカニズムなどの情報も、画面に現れます。

2.全国の地震観測網

現在、日本全国で展開されている観測網は、「陸海統合地震津波火山観測網 MOWLAS」と呼ばれています。 このうち、 全国の陸域において展開されている地震観測網が、 Hi-net、K-net&KiK-net、F-netです。

地震観測網といっても、異なった種類の地震計からなる、いくつかの観測網があります。 地震計はどんな地震動もパーフェクトに記録するとはいきません。 地震計の種類により、 微弱な地震動を記録するに優れたもの、強い地震動をとることに優れたものや、 長い周期の地震動の記録に優れたものなどが、あります。

(1)Hi-net
・高感度地震観測網(周期1秒ぐらいの非常に微弱な地震動を記録する)

Hi-netの観測点の位置(青点)(防災科学技術研究所ホームページより引用)

(2)K-net & KiK-net
・強震観測網(非常に大きな地震動が記録できる)


K-net&KiK-netの観測点の位置(紫点)(防災科学技術研究所ホームページより引用)
KiK-net基盤強震観測網はHi-netと同じ場所に観測点があります。

(3)F-net
・広帯域地震観測網(数百秒の長周期の、微小な地震動まで記録できる)


F-netの観測点の位置(緑点)(防災科学技術研究所ホームページより引用)

「防災地震Web」の下の方に、 「高感度地震観測網 Hi-net」「強震観測網 K-net&KiK-net」「広帯域地震観測網 F-net」の ホームページへのリンクがあります。 各々、探索してみてください。

ホームページを開くと、 確認のポップ画面がいくつかでてくることがあります。 目を通して、「OK」をクリックしてください。

3.今回使用するのは高感度地震観測網 Hi-net

今回の演習では、P波の揺れはじめ(初動)の時刻を読みとって使います。 そのため、高感度地震観測網 H-netのデータを使います。 微弱な地震動を記録できる地震計がよいからです。

一方で、Hi-netの地震計は、強い揺れに対して振り切れてしまいます。 今回の演習でも、いくつかの観測点のデータでは、 強い揺れで振り切れてしまっているようすがみえると思います。 波の形全体を調べるために振り切れていない地震動データが必要ならば、 K-NETやKiK-netのデータを使う必要があります。