観測波形を準備する:本堂で記録されたS波(SH,SV)の変位波形をつくる
(Last Modified: November 9, 2009)

(1) S波が予想される時刻を含む5分間のwin形式ファイルをつくる

NEICによるサモア諸島の地震の震源は
2009年9月29日 17時48分10.99秒(世界標準時)
南緯15.49°西経172.1° 深さ18km
本堂からの震央距離は 73°
S波が到達するに要する所要時間のiasp91の予測値は、1250秒。

NEICによるスマトラ島の地震の震源は
2009年9月30日 10時16分9.25秒(世界標準時)
南緯0.72°東経99.87°深さ81km
本堂からの震央距離は 45°
S波が到達するに要する所要時間のiasp91の予測値は、873秒。

(2) アスキーファイルに変換し、gnuplotで波形をみる

南北成分と東西成分のデータを使用します。 winのチャンネル番号は、89F5と89F6 になります。

振幅のあるS波がはいっていることを確認してください。

(3) (1)のwin形式ファイルをSAC形式ファイルに変換する。

南北成分と東西成分のデータを使用します。 winのチャンネル番号は、89F5と89F6 になります。 以下により、SAC形式ファイルへ変換します。

./win2sac win形式ファイル名  89F5 SAC形式ファイル名(例えば、samoa.ns)

./win2sac win形式ファイル名  89F6 SAC形式ファイル名(例えば、samoa.ew)

(4) SACで地震計の応答関数を取り除き、地動変位のデータをつくる

端末で

sac2000

とすると、SACが起動され、SAC>が、先頭に現れます。 以下を実行していきます。

■南北成分の地動変位のデータをつくる

SAC> r 南北成分のSAC形式ファイル名(例えば、samoa.ns)
”データの読み込み”

SAC> qdp off
”データの間引きをしない”

SAC> p1          
”データを画面にプロット” 
これは地震計が記録したデータです。
ここで、gnuplotでみた波形と同じになってるか要確認。

SAC> ch stla 32.8795
SAC> ch stlo 131.0763
SAC> ch stel 0
”SACファイルのヘッダ部分に、本堂の観測点の緯度、経度、高度情報を入力” 

SAC> ch evla -15.49
SAC> ch evlo -172.10
SAC> ch evdp 18
”SACファイルのヘッダ部分に、該当する地震の緯度、経度、深さ情報を入力” 
上は、サモア諸島の地震の例。 

SAC> ch cmpaz 0
SAC> ch cmpinc 90
”SACファイルのヘッダ部分に、 データ成分の方位(cmaz)と鉛直からの角度(cmpinc)を入力” 

SAC> rmean
”平均値を引く”

SAC> taper        
”データの両端にテーパーをかける”

SAC> transfer from polezero subtype CMG40_BHZ.pz
"CMG40_BHZ.pzで表現される応答関数を取り除く”

SAC> hp co 0.01 n 4 p 2 
"コーナー周波数0.01Hzの位相変化ゼロのハイパスフィルターをかける”

SAC> lp co 1 n 4 p 2
"コーナー周波数1Hzの位相変化ゼロのローパスフィルターをかける”

SAC> w tmp.sac.ns
"出来た南北成分の地動変位の波形をtmp.sac.nsに保存する”

■東西成分の地動変位のデータをつくる

SAC> r 東西成分のSAC形式ファイル名(例えば、samoa.ew)
”データの読み込み”

SAC> qdp off
”データの間引きをしない”

SAC> p1          
”データを画面にプロット” 
これは地震計が記録したデータです。
ここで、gnuplotでみた波形と同じになってるか要確認。

SAC> ch stla 32.8795
SAC> ch stlo 131.0763
SAC> ch stel 0
”SACファイルのヘッダ部分に、本堂の観測点の緯度、経度、高度情報を入力” 

SAC> ch evla -15.49
SAC> ch evlo -172.10
SAC> ch evdp 18
”SACファイルのヘッダ部分に、該当する地震の緯度、経度、深さ情報を入力” 
上は、サモア諸島の地震の例。 

SAC> ch cmpaz 90
SAC> ch cmpinc 90
”SACファイルのヘッダ部分に、 データ成分の方位(cmaz)と鉛直からの角度(cmpinc)を入力” 

SAC> rmean
”平均値を引く”

SAC> taper        
”データの両端にテーパーをかける”

SAC> transfer from polezero subtype CMG40_BHZ.pz
"CMG40_BHZ.pzで表現される応答関数を取り除く”

SAC> hp co 0.01 n 4 p 2 
"コーナー周波数0.01Hzの位相変化ゼロのハイパスフィルターをかける”

SAC> lp co 1 n 4 p 2
"コーナー周波数1Hzの位相変化ゼロのローパスフィルターをかける”

SAC> w tmp.sac.ew
"出来た東西成分の地動変位の波形をtmp.sac.ewに保存する”

■東西・南北成分の地動変位を、radial成分(大円方向の水平成分)と transverse成分(大円方向に直交する水平成分)に座標回転した 地動変位をつくる

SAC> r tmp.sac.ns tmp.sac.ew
”南北・東西成分の地動変位データの読み込み”

SAC> rotate
”座標を回転する”

SAC> w tmp.sac.r tmp.sac.t
”出来たradialとtransverse成分の地動変位データを保存”
tmp.sac.r tmp.sac.tは、自分の好きなファイル名でよい。

SAC> p1
”出来たradialとtransverse成分の地動変位データをみる”
上がradial成分(SV波がみえる)、 下がtransverse成分(SH波がみえる)。