理論波形を計算する
(Last Modified: December 1, 2014)

作業は阿蘇サーバーに ssh -X でログインして行います。

(1) 理論波形を計算する例がはいったdirectoryをコピーする 

cp -r /tmp/DCexample .

(2) 計算に使うプログラムの実行形をコピーする 

cp /tmp/qseis5.5 .
cp /tmp/qt2sac.x .

(3) directoryの中にあるREADMEを参照して、例を走らせてみる 

結果の例もはいっているので、同じような結果になるかを確認してください。

この計算で得られる波形は地動速度です。
SACの中で int というコマンドを使うと時間積分ができます。

この計算ででてくる波形の水平成分はradialとtransverse成分です。 radial成分は震央と観測点を結ぶ方向の水平成分で、震央から遠ざかる方向へ正です。 transverse成分はradial成分から時計回りに垂直な水平成分です。 震央と観測点の位置関係を使って回転すれば、東西、南北にできます。 あるいは、観測波形をradialとtransverse成分にすることもできます。 その説明はココ

(4) 入力ファイルのパラメタを変更して、 自分の計算したい設定で計算を行う

観測波形と同じような波形を作るにはどのようなモデルを考えればよいでしょうか?

観測波形と比較するときには、 観測波形に使用したフィルターと同じフィルターを理論波形にもSACで 使用してから比較する必要があります。注意してください。

【参考文献】

ここで使用する理論波形の計算は、以下の論文の方法によるものです。
Rongjian Wang, "A Simple Orthonomalization Method for Stable and Efficient Computation of Green's Functions", Bull. Seismo. Soc. Amer., 89, 733-741, 1999.
地震波形を計算する伝統的な手法である propagator matrixを利用したThomson-Haskell法の改良版です。
論文は/tmp/Wang(BSSA 1999).pdfにあります(附属図書館の電子ジャーナルでも手に入ります)。

地震波動を計算するための理論に関する教科書には
齋藤正徳「地震波動論」東大出版
Keiichi Aki and Paul Richards "Quantitative Seismology"(邦訳版もあり)
があります。図書室にあります。