10月28日03時04分(世界標準時)、 カナダの西岸沖合でマグニチュードMw7.7の地震が起きました。 この地震の発生により、太平洋津波警報センター(ホノルル)は 一時、カナダやアメリカの太平洋岸などに津波警報を発令しました。 ハワイで約80cm程度の津波が観測されました。
この地震は、 10月28日03時04分10秒(世界標準時)(日本時間では28日12時04分10秒)に 発生しました。 規模(マグニチュード)は、 奥尻島に大きな津波の被害を及ぼした 1993年北海道南西沖地震(Mw7.7)と同じです。
上の左の図で、青い□は地震後約1日間に起こった余震の分布です。 余震の集中している領域が、 本震の断層の位置をおおまかに示していると考えられます。 この地域では、西にある太平洋プレートが、東にある北アメリカプレートに対して、 北から北西の方向に年約5cmの速度で動いています。
本堂の震央距離は、 68.5° です。 震央距離が 30-100°の範囲を、地震学では「遠地(teleseismic distance)」と 呼んでいますが、その範囲にはいる地震です。
地球の内部の速度構造を仮定すると、P波などの地震波が 伝播するにかかる時間を推測することができます。 "ak135"という世界標準1次元速度モデルを用いると、 P波は本堂に661秒かかって到達し、 S波は本堂に1202秒かかって到達すると予想されます。 また、あわせて、 本堂に伝播するP波が、震源から鉛直下向きから上方に 20°の角度で射出したP波であることも推測されます。 (この角度を射出角take-off angleと呼んでいます)
なお、地震の震源からみた本堂の方向(方位 azimuth)は、 -64°、本堂からみた地震の震源の方向(逆方位 back-azimuth)は、40°です。 いずれも、北をゼロとして時計回りを正に測られています。
★が地震、太い矢印が波の伝播方向、ihが射出角、φsが方位。
地動を見るためには、取得されたデータから、地震計の応答関数を 取り除く必要があります。 今回は、この作業を、SACというソフトウェアを使って行います。
阿蘇のデータがあるサーバにログインして、
作業を行ってください。
作業の詳細はココ
サーバへのログインやwin形式のデータを扱うコマンド等は、
第1回目の演習のメモにあります。
ココ