小さめの地震の波形データを、地下の地盤特性を含む 経験的グリーン関数として用いて、 2016年熊本地震本震の断層運動の特性を調べる。
解析手法は、
三宅・岩田・入倉(地震、51, 431-442, 1999)
Kamae and Irikura (J. Natural Disaster Science, 16, No. 2, pp. 31-40, 1995)
をもとにする。
ステップ1:
本震と経験的グリーン関数とする地震のスペクトル比を計算して、
経験的グリーン関数の重ね合わせ数 N、
本震と経験的グリーン関数とする地震の応力降下量比 C、
本震と経験的グリーン関数とする地震の各々のコーナー周波数を推定する。
ステップ2:
N×N の経験的グリーン関数をたし合わせて、本震のための波形合成をする。
このとき、5つのパラメタ(N×Nつが占める領域の幅・長さ、領域上のずれの開始点の
位置、破壊速度、立ち上がり時間)を変えると、
どのように合成波形が変わるかを調べる。
本震で観測された地震波形の特徴をつくるにはどのような値がよいか、調べる。
熊本地震本震の震源は、
4月16日 01:25:05.4
32.753N 130.762E 深さ 12 km Mj 7.3
(気象庁ホームページによる震源情報)
今回、経験的グリーン関数に使用してみる地震は、
4月14日 22:07:35.2
32.775N 130.848E 深さ 8 km Mj 5.8 Mw 5.4 (1月11日追加)
(気象庁ホームページによる震源情報)
使用する波形データは、 KiK-netやK-NET で取得されたもの
方法は、三宅ら(1999)の434ページ左段と435ページ左上部をもとにする。
ただし、
・複数の観測点の平均はとらずに、1つの観測点だけでやってみる。 Kamae and Irikura (1995)の34ページでKMTが使用されていることを参考にして、 断層に垂直な方向にある観測点 KMMH01 か KMMH03 を使ってみる。
・三宅ら(1999)の435ページ左上部にあるスペクトル比をとる前の平滑化は、
各周波数で、 +-10%のウィンドウで移動平均をとることで行っている
(Miyake et al.,Bull. Seismo. Soc. Amer., 93, 2531-2545, 2003)。
・S波全体を含む時間区間を使う。
・2つの地震で時間区間長を同じにすると、比をとることが容易になる。
・各成分のスペクトル比をみて、その中から適当なものを選ぶか、
あるいは、Miyake et al (2003)の2536ページ右下の記載にならって、
振幅スペクトルの3成分のベクトル和を使う。
※ 観測点 KMMH01とKMMH03の2つの地震のデータ(tarファイル)はここ
※データのフォーマットは?
※ 観測点 KMMH01の4月14日の地震と4月16日の地震のデータプロット(上3つ; 南北、東西、上下 )
※ 観測点 KMMH03の4月14日の地震と4月16日の地震のデータプロット(上3つ; 南北、東西、上下)
※フーリエ変換は?
三宅ら(1999)の433ページの(4)式に相当する関数を 配列に作り、 それを使って、同ページの(1)式より、 畳み込み積分で本震のための波形を合成する。
このとき、L,W,ずれの開始点の位置、Vr、Tの5変数は、 変えられるようにしておく。
どこか観測点を選んで、5変数を変えながら、波形を計算してみる。 余裕がなければ1点、できれば、方向の異なる複数点で。 変数をどのようにすると、本震で記録された波形に特徴が似てくるか?
※畳み込み積分とは?
※ subroutine conv (fortran 77)は
ここ
(1月11日追加)
(注意)
このconvを使うとき、最初にある配列の宣言文の (1) の部分の整数を、
メインプログラムにあわせて大きくしてください。
例えば、 h(8196),x(8196),y(8196) という風に。
(1月13日追加)
※ KMMH01,KMMH03以外の2つの地震のデータ(tarファイル)はここ(約10MB)
(12月6日追加)
※ 三宅他(1999)の(4)式のn'の意義は
Irikura (1993)(91-94ページあたり)で知ることができる。
n'=1のとき(Fig.31)とn'=5のとき(Fig.33)の合成波形の違いの例がみられる。
(1月10日追加)
メールの件名を「DCレポート」として久家宛へメールで送ること。
レポート内に名前を忘れずにいれること。
※ 提出するレポートのファイル形式は、MS Word あるいは pdf のいずれか。
(1月10日追加)
※ レポートを受け取ったら、送り元のアドレスへ受け取りのメールを送ります。
もし数日たっても受け取りメールが来ない場合には、メールで問い合わせてください。
(1月10日追加)