久家慶子(くげけいこ) 
地球物理学教室地震学研究室・准教授
吉田・北部キャンパス内 理学研究科1号館2階255号室

【これまで/いまの私の主な研究テーマ】 (詳細は論文を)

深い地震はどのように起こるの?
深い地震はどうして起こるのか、よくわかっていません。 時々起こるダブルカップルからはずれた深い地震や珍しいところで 起こった深い地震の謎を、 観測された地震波形の解析をもとに明らかにしました。 最近調べたチリ北部のやや深い地震が、やや深い地震の起こり方を知る上で とてもおもしろい地震だったので、他のやや深い地震へ調査範囲を広げて、 総括的なモデルの構築をめざしています。 また、これとは別に、深発地震のたくさんのデータを使うことで、昔はみえなかった 深発地震や内部構造のようすを検出できることも最近わかりました。

地震は、水などの影響を受けて断層上をどのように成長するの?
地震は小さな領域でのずれから始まって、時間とともに空間上を広がって 大きくなります。動的破壊伝播数値シュミレーションを用いて、 水や構成則などの作用を受けて、ずれがどのように広がっていくのか、 最終的にはどのような特徴を有するのかを調べています。 実際に観測される地震の成長過程の解釈・理解を目指します。

地震は、複数の断層の上をどのように大きくなるの?
多くの浅い地震は、そのずれが1つの断層だけでなく、 複数の断層の上を広がりながら、大きな地震に成長していきます。 ずれが複数の断層をどのように広がっていくのかを、
・観測された地震波形から実際に起こった地震の現象とその特徴から調べる
・差分法による数値シュミレーションから断層を乗り移るずれの特徴を調べる
の2つの方向から探りました。

起こった地震のことをすぐに知りたい!
地震が起こると、私がいなくても(or寝てても)、 計算機が勝手に自動的に地震波形から地震のメカニズム解、 震源断層や震源過程を決定するシステムを作成しました。

大陸プレートって、いったい、何なの?
プレートは海嶺でできて、冷やされて海溝で沈み込むと説明されますが、それは 海のプレートのお話。では、陸のプレートはいったい何なの?というわけで、 東南極大陸の上部マントル速度構造を地震波形から推定することに はじまり、ただいま北上中(というよりも休業中・・・)。 大陸プレートはものが違うから何億年もぷかぷか浮いている!?

瀬戸内海の下に何がある?
大陸プレートの研究をお休みしているうちに、地震波形の解析から、 瀬戸内海の下に何か不思議なものがありそうだということがわかりました。 いったい、何があるのでしょうか??? それにしても、日本のHi-NETのデータはきれいですばらしい!

【考えられる修士論文/課題研究テーマ】

テーマは、私の行ってきた研究内容に限りません。 自分が不思議に思ったことを明らかにしたときが一番楽しいという考えから、 テーマは、本人の知りたいこと・興味のあることの中から、最初の半年ぐらいの間で、 勉強や議論をしながら探します。テーマの候補を与えて、 その中から選ぶということはしていません。 「苗」からではなく、「種」から育てて、「自分の」研究にしてもらいます。 ただし、実験・観測は行っていませんので、計算機と頭でできることに限られます。 自分で試行錯誤してやることを重んじています。 手取り足取り、細々教えてほしいという方には当方は向きません。

【現状】

地震学研究室では、週1回、論文紹介や研究報告の ゼミを やっています。 この他にも、地震学研究室内外でいくつかのゼミが行われていて、 興味あるものに積極的&自主的に参加してもらっています。

【その他の情報】

現在、特になし。

(Last Modified 2015/04/23)