Excel 入門

地球科学では、観測、数値シミュレーションともに、多くの数値データを扱います。 それらのデータを解析したり、計算したりするために、Fortran や C といった計算言語で専用プログラムが多くの場合使われます。

そのような言語を使った専用プログラムは、高速に大量のデータを処理することに 向いていますが、一方でそのようなプログラムを書くためには、 かなりの時間と労力を要します。また、以前はコンピュータを使うためには、 まず、そのようなプログラムを書かなければならなかったので、Fortran や Cはごく普通のコンピュータ環境で、普通に使えることが多かったのですが、 最近ではそのような言語が使える環境そのものが少なくなってきてしまいました。

それに対して、表計算ソフトの Excel は Windows PC なら、ほとんどの場合インストールされています。 また、PCの演算速度の向上に伴って、Excelの実力もずいぶん高くなってきました。 もともと、会計計算などのビジネス用途に開発されたソフトなので、 科学計算用としては、若干違和感を感じるところもありますが、 ちょっとした用途なら十分に使えますし、 Fortranや C を使うよりはるかに手軽です。

そこで、この講義・演習では、まず Excelを使って、 数値計算やデータ解析をしようと思います。 ただし、地球科学で扱う問題すべてが Excel で処理できるわけではありませんので、Fortran や C も平行して勉強することを強く勧めます。

計算機を使ってデータを処理するは大きく2つの工程に分かれます。

  1. 演算処理により、何らかの意味を持つ「数値」を求める。
  2. 求めた数値を、よりわかりやすく図にする。

最近のデータ量は膨大なため、数値を求めただけでは、 どんな結果になったかさっぱりわかりません。計算した結果を確認するためにも、 図にすることは必須ですから、まず、図の描き方から始めましょう。 観測データを図にする過程で、Excelの使い方に慣れてください。

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